1、安全に歩ける街づくり
まず、「安全に歩ける街づくり」をもとめて質問いたします。
安全に歩ける街づくりのためには、車の通る車道と分離された歩道、そして更には自転車道がそれぞれ分離されていることが理想です。しかし、狭い道路幅の中で、すぐには実現できない場所も多いのが実情です。
可能な場所については道路幅拡幅の可能性を追求していく一方で、既存の道路幅の中でどのような改善ができるかを考えていくことが急務です。
そういった視点でまず通学路についてお聞きします。
ガードレールによる歩行者分離が難しいような場所については、せめて、視覚的に歩行者の歩行空間、車の通るべき幅を明確にし、運転者に注意を促す「カラ―舗装」が有効です。市内でも次第に広がってきていますが、2010年度予算で実施予定の通学路はどの小学校でしょうか?
 またこの施策は、既存の道路幅で実施できるもっとも簡単で有効な方法であり、市内全域に広げていくべきと思いますが、今後年度途中に補正予算を組んででも実施を広げていくべきと考えますがいかがでしょうか?

 次にバリアフリー横断歩道・交差点について質問いたします。これが前の議会でもお見せしたことのある市役所前のバリアフリー横断歩道です(写真提示)。
 車道部分を歩道と同じ高さにすることにより、歩行者・車イス・ベビーカーは段差なく安全に横断できる一方で、車にとっては段差があるため、車のスピードを落とさせることができ、歩行者にとって安全になります。
そもそも「横断歩道」という言葉自体に、道は優先通行権は車であり、歩行者は横断させていただくという車優先の発想が感じられます。本来は歩行者優先の道をクルマが一時横断させていただく「横断車道」とでもいうべき場所です。

交差点全体がこの形になったものを「バリアフリー交差点」といい、バリアフリー交差点・横断歩道は既存の道路幅で一部の高さをアスファルトなどで高くするだけでできる施策です。2008年6月議会で市内全体への普及を提案いたしました。ぜひ市内の通学路・交差点の横断部などの危険個所にバリアフリー横断歩道・交差点を設置してほしいと思いますがいかがでしょうか?

次にガードレール・ガードパイプについてお聞きします。ガードレール・ガードパイプは歩行者の安全歩行を確保する手段として有効ですが、残念ながら破損箇所が見られます。行田西小学校・東小学校の通学路である行田公園の南側の道は3本のパイプが平行して走っているものですが、よくボルトがはずれて1本が地面に落ちていることがあります。するとその落ちた1本が車道側あるいは歩道側にあり、ケガをする可能性があります。PTAや保護者から言われ道路部担当者に言って補修していただいてもまたしばらくすると落ちてしまいます。いたちごっこです。
行田公園南側のガードパイプやボルトの結合部がさびて劣化しているものも多く、ガードレール型にしたほうがよいのではないでしょうか?
またこのガードパイプ型のものは市内各地でも劣化が進み同じようなことが発生している可能性はないのでしょうか?そもそも市管理のガードパイプの総延長は何kmであり、その補修・点検状態はどうなっていますでしょうか?

次に側溝についてお聞きします。先日2月25日の専決処分でも側溝の補修の質問を聞かれた市民の方から西船橋駅北口側武蔵野線高架下の側溝でけがをされた経験のある市民の方から安全化のご要望をいただきました。この部分で蓋すらない部分(写真提示)については緊急に蓋の設置をお願いしたいと思いますがいかがでしょうか?

次の横断歩道・信号機の設置要望についてお聞きします。2008年3月時点で、行田Aコープ前については行田公園を中心に活動をしてきたボランティア団体・行田中学校校長、あるいは近隣自治会などから横断歩道設置要望がでていました。
その後警察でどのように検討され、今後の設置の方向性はどのようになっていますでしょうか?




2、卒免(運転免許返上)と公共交通への誘導施策と環境ニューディール条例

杉並区で75歳以上の方が運転免許を返上した場合、スイカ・パスモなどを補助するという施策が始まっています。
これは高齢者運転者による交通事故を防ぎ、公共交通に誘導していく施策で船橋でも検討すべきです。
ただ卒免は高齢者運転手の事故防止対策のみならず、地球温暖化や運動不足による疾病回避のためには条件がある人はぜひ行っていくことが求められます。
市としてはいかがお考えでしょうか?


3、街づくり・商業圏計画について

社会構造・経済構造の変動によって街は変化していきます。古きよきものを守りながら、新しいものを取り入れ調和させていく、そして新旧住民にとって相互に住みやすい街づくりに向け市が積極的な施策を持っていく必要があります。
まず、旭ガラス跡地についてお聞きします。私も何度か取り上げさせていただきましたが、現状は旭硝子跡地利用計画についてどのようになっているのでしょうか?
そして国家公務員体育センターの跡地については、私もすぐ近くに住んでおり近隣の方から以前同様、グランドを確保してほしいという要望をいただいています。現在の状況と市の政策についてお聞かせください。
 次に、本定例会の予算としても提出されている行田Aコープの野采直売所への転換計画についてお聞きします。この計画はどのような主旨で、誰が、どのような話しあいの中でいつから実施を目途に進められているのか?市の関与はどのような形かお聞かせください。
 行田Aコープの野菜直売所での転換にあたっては、近隣住民の意見・要望を聞く機会、を設定するようにJAに要請するべきと考えますがいかがでしょうか?完全に野菜直売所に特化するのでなく、日常生活に必要な雑貨類を購入できるようなスペースを確保することを住民やテナントの意見も聞きながら進めていくことを求めますがいかがでしょうか?


4、二俣川の冠水対策・津波の対応

 昨年秋の集中豪雨の際、二俣川周辺で冠水が起こり、市川・船橋住民が被害を受けました。その際、土のうなどの緊急対応された住民の方から、改善要望が寄せられました。ここは本郷町と市川市二俣2丁目の市境に相当し、上流から2系列が合流し、水面の高低差もある複雑な構造となっています。私は市川市役所の担当者にも話を聞き調査させていただきましたが、この部分の市川市と船橋市の管理の取り決めはどうなっているのか?将来的な改善対策はどうなっているのかお聞きします。
 また特に、昨年秋のような冠水を防ぐために、緊急の対策をどうするのか?川底にたまった汚泥などの清掃をどうするのかお聞かせください。

 今回の津波について船橋の海浜部の水位上昇はどうだったのでしょうか?今回の津波に対して市はどのように対応したのかお聞かせください。
 また二俣川など河川は海浜部の水門とつながっています。今回の津波の際は水門はどのように対応されたのでしょうか?


5、放課後ルームについて

今回の予算では、放課後ルームの増設は南本町・三咲の2ルームになりましたが、行田東小学校放課後ルーム父母会をはじめ、他の放課後ルームの保護者からも増設要望が出ていたと思います。なぜ今回、行田東ほか他の設置の要望が実現されなかったのか?今後の対応をどうされるつもりなのかお聞きします。


6、児童家庭課の職員配置

 ふらっと船橋に臨床心理士が配置される方向を歓迎する。しかし児童虐待などの当事者・通報者がこられる可能性の高い市役所3階の児童家庭課にはどのような専門職職員が配置されていますでしょうか?臨床心理士はいますでしょうか?いないとしたら配置すべきと思いますがいかがでしょうか?


7、医療センターについて

 緩和ケア病棟がスタートしました。現時点での病床は満床になっているのでしょうか?現時点での利用の状況をお示しください。
病棟スタート以降の相談・外来の利用状況の数値をお示しください。
職員配置について2009年3月議会で指摘しましたが、その指摘の基準は十分満たされていますのでしょうか?満たされていないとしたらどのように確保していくかについてのお考えをお聞かせください。
またスタート1ヶ月半時点で様々な課題も見えてきている思いますが、今後解決すべきと考えている課題をお示しください。

がんに悩み苦しむ患者家族は多くおられます。医療センターの訪問する前に、普段生活で使い通いやすい場所に適切な情報があるとよいと思います。医療センター内には、がんに関する諸パンフレットが展示されたラックがあります。これと同様なものをフェイス5階の市民活動サポートセンターかその周辺に配置するように、「医療センターのがん相談支援センター」の出先業務としてまずは配置だけでも実施すべきと思いますがいかがでしょうか?
将来的には、ここの一角を利用して相談やサロンまで開ける可能性もあると思います。

8、学校教育について

 小説・文学に親しむことは国語教育・人間教育の基本であり、進めていくべきです。
私も今、夏目漱石と東野圭吾を読んでいますが、それぞれの時代の市民の生活の視点から心情や文明の問題点を掘り下げている点では両者に共通の視点が多いと感じています。
市の教育施策を見ると、国語教育について英語教育に比べ軽視されているとも思えますが、国語教育についてどのようにお考えでしょうか。


9、「性同一性障害」に対する市の施策について
  〜東野圭吾「片想い」を参考にしながら〜

 心と体の性が一致しない性同一性障害(GID,gender identity disorder)は昔は認知されず、変態扱いされ差別され抑圧されてきました。
 競艇で女性選手として出場していた安藤千夏選手が、心の性に体をあわせて男性選手の安藤大将選手として出場するようになったこと、元は男性として振舞ってきた上川あやさんが今は世田谷区の女性区議として活躍されていることなどを通じて社会的な認知は少しづつ広がってきています。
 私の大学時代の男子寮(東大駒場寮)の友人にも今は女性として暮らしている友達もいます。
 埼玉医大が性別転換手術を行ったり、ホルモン療法により体を心の性に合わせていく取り組みもなされてきています。

2月のニュースで、埼玉県の公立小で、男の子の体を持ち女の子の心を持っている児童が秋から女の子として通学し学校生活を送ることを、全校生徒と保護者にお知らせした上で実施したことが報じられました。その後埼玉県の教育委員会には同様の悩みや願いを持つ保護者からの問い合わせも来ているそうです。
埼玉県公立小のこの判断は、更に時代を進めるものとして歓迎いたします。
未だに言い出せずに悩んでいる方々は多くおられると思います。その声を汲み取り積極的に動くことが市の責任ではないでしょうか?

まず、お聞きします。
男女共同参画課・女性センターに講座などでこれまで性同一性障害を扱った講座などの開催はありますでしょうか?また相談などを行ってきましたでしょうか?
内部的にどのように検討されてきましたでしょうか?

教育委員会にお聞きします。これまで学校現場において、このような相談の例はありましたでしょうか?また積極的に相談の受付を広報したでしょうか?
 そして、今後埼玉の同様な事例が保護者から求められてきた場合、積極的柔軟に受け入れ対応していくべきと思いますがいかがでしょうか?

 たとえば、現在このことに悩みなかなか言い出せない子どもがいた場合、学校現場で必要以上に男の子・女の子の違いが強調されることは苦痛となります。たとえば、名簿については今各学校校長が保護者などの意見も聞きながら混合名簿にすることも含めて柔軟に対処していると思います。また各クラスでも柔軟に対応されていると思います。今後も各学校・クラスの判断を尊重して教育委員会として一律な名簿のあり方を押し付けることはすべきでないと思いますがいかがでしょうか? 


私が今読んでいる東野圭吾の作品「片想い」は正面から性同一性障害に取り込んだ作品です。
深刻で難しくて敬遠しがちなテーマを、ストーリー展開と登場人物の微妙な心の動きを通じて表現しています。国語教育でも触れましたが小説の持つ力を感じます。

担当者に置かれましては、ぜひご一読をお勧めします。

そして「性同一性障害」は当事者だけの問題ではなく、それを見つめることが、今の女と男の関係を見直すヒントになるかもしれません。

参考に小説「片想い」の一場面でクラブのママ(体は男性)とスポーツ記者の男性との対話の場面を紹介します。

「男と女はメビウスの裏と表の関係にある思っています」
「どういう意味ですか」
「ふつうの一枚の紙ならば、裏はどこまでいっても裏だし、
表は永久に表です。両者が出会うことはない。
でもメビウスの帯ならば、表だと思って進んでいったら、
いつの間にか裏に回っていることになる。
つまり両者は繋がっているんです。
この世のすべての人は、このメビウスの帯の上にいる。
完全な男はいないし、完全な女もいない。
また、それぞれの人が持つメビウスの帯は一本じゃない。
ある部分は男性的だけど、別の部分は女性的というのが、ふつうの人間なんです。
あなたの中にだって、女性的な部分がいくつもあるはずです。
トランスジェンダーといっても一様じゃない。
トランスセクシャルといっても、いろいろいます。
この世に同じ人間などいないんです。
その写真の人にしても、肉体は女で心は男などという単純な言い方はできないはずです。私がそうであるようにね。」


実はこの小説だけでなく、テレビドラマでも「ママは昔パパだった」というドラマのテーマになっていたり、「コードブルー」「特上カバチ」などの有名ドラマでニューハーフのお店が多く登場し、今の子どもたちの世代は、「変態」扱いせず、多様な価値観を普通に受け入れていく素地ができていると感じています。
 学校教育の国語や総合的学習など様々な場面で性同一性障害の問題を各教師が自主的に取り扱うことができるように、機会があれば紹介したり、教員向けの学習・研修のテーマのひとつとして取り上げていくことをご検討いただきたいと思いますがいかがでしょうか?



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