↓3月10日、船橋市立行田中学校卒業式



「仰げば尊し」作詞・作曲不詳

仰げば尊し 我が師の恩
教えの庭にも はや幾とせ
思えばいととし このとしつき
いまこそ別れめ いざさらば

朝夕なれにし 学びの窓
ほたるのともしび 積む白雪
忘るるまぞなき ゆくとしつき
今こそ別れめ いざさらば

卒業式で歌われる「仰げば尊し」一語一語、一音一音の響きが
味わい深いですね。

●「今こそ別れめ」〜係り結び

これは「分かれ目」ではなく、「今こそ分かれましょう」との意味で「こそ」を受けて文末が「め」に変化しているのです。
これを係り結びといいます。

 係り結びは「ぞなむやかこそ」が有名で、
「〜ぞ・なむ・や・か〜連体形(ウ段)」
「〜こそ〜已然形(エ段)」
となります。
言葉によって微妙な意味の差がありますが、すべて強調になっています。

有名な
「知る人ぞ知る(連体形・ウ段)」
「好きこそものの上手なれ(已然形、エ段)」
もこれになります。

●「卒業」の「卒」の由来
 白川静「常用字解」には中国の呪術的背景も踏まえた漢字の由来がよく書いてあります。
メルマガでは象形の変化の様子が表記できませんが、死者の衣の襟元を合わせて死者の霊が体から出たり邪悪な霊が入ってくる
のを防ぐことを意味する文字で、「ついに」「終わりに」の意味となりました。
「卒塔婆」(そとうば)(仏教の供養のための建造物・墓石の後に立てる長い板)は
実はサンスクリットの読みの当て字ですが、当て字にしても「卒」を使ったのはこの由来によるのでしょう。

 軍隊の末端という意味で「兵卒」という言葉も派生しました。

 また死後すみやかに襟元を合わせる儀式をしたので、「すみやかに」の意味ともなり、「(脳)卒中」「卒倒」などの突発的な病気のことも示すようになったようです。