菅首相が諫早湾干拓事業中止の方向を打ち出しました。

干拓(かんたく)は遠浅の海や干潟、
水深の浅い湖沼やその浅瀬を仕切り、
その場の水を抜き取ったり干上がらせるなどして農地利用など陸地にすることです。
土砂や廃棄物等を投入して土地を造成する「埋立」とは異なります。

「干」(カン・ほす・ひる)は長方形の盾(たて)の形の象形文字。
「盾」(たて)の漢字自身が「干」で「目」(頭)を守るという意味から来ています。

「汗」「肝」の「干」は「カン」という読みを示す要素として使われています。

「周」は「干」で祭りに使う「口」(さい)を囲って守るという意味です。

「干」は「乾」(カン)と同じ読みなので「ほす・ひる」の意味でも使われるようになりました。
「干拓」(かんたく)「干潟」(ひがた)などはその例です。

「拓」(タク・セキ・ひらく)は、昔「てへん」に「庶」と書いたこともあります。
「庶」は台所で鍋を使って「ごった煮」に煮たきをする象形で、「庶民」(しょみん)のように「おおい・もろもろ」などの意味になりました。
  煮た鍋(庶)から食べ物を「てへん」(つまりオタマのような道具)ですくいとることを意味し、「拓」は「ひらく」「きりひらく」の意味となりました。