火曜に週刊にほんごの「片想い」(東野圭吾)で紹介した
性同一性障害はGID(gender identity disorder)といいます。
それぞれの語源から関連を探っていきましょう。

毎週そうできるとは限りませんが、
(先週はオリンピック、今週は性同一性障害と、)
できるだけ、週ごとに一つのテーマをにほんご・英語・理科の3角度から深めるようにしますね。

●gender性・性別・ジェンダー(社会的性役割)
 これに対し生物学的性のことをセクシャリティー(sexulity)と言って強調点を区別したりします。
語源はにはギリシャ語genos(生まれ・種族)・ラテン語genus(部族・生まれ・性)です。
gene「遺伝子」genome「ゲノム」も近い語源であるし、oxygen(酸素)hydrogen(水素)などの
言葉になる接尾辞「-gen」も素(源)という意味である。
-genと源が発音が同じなのは起源が繋がっているという説もある。
genusはそのまま英語にもなっており、属(生物の分類グループ)・種類の意味である。

●identity同一性・個性・自己認識アイデンティティー
語源はラテン語identidem(繰り返して、再三再四)で
これは一つのフレーズ「idem(同じもの)et(と)idem(同じもの)」から派生したもので、
日本語でも「くどし くどし」から「くどくど」という言葉ができたのと近いかもしれません。

●disorder障害

dis-はギリシャ語由来の接頭辞で「離れて」「不ー」「非ー」を示します。
・distant遠い・離れて(dis離れて+stand立つ)
・distance距離
・discount割引・ディスカウント(dis離れて+connt計算)

orderは命令・注文(オーダー)・順序・順列・目(もく、生物の分類単位)
語源はラテン語ordoで順序・列

・ordinary(普通の)は順序どおりのニュアンス

ちなみにオードリー ヘップバーン(Audrey Hepburn)など
欧米人名のオードリーはつづりが異なり
別語源で「高貴な力」との意味らしい。