「アンデルセン公園の局所的高線量(1p計測)とその後の市・公園の適切な除染対応について」 2011年10月15日(土) 朝倉幹晴 ●結論(要約) アンデルセン公園の空間線量は市の計測でも私も含む市民による自主計測でも園として利用を制限する値ではないと考えます。 (なお放射線量に関しては様々な考えがあり、首都圏から避難する方もおられますので、最後は個々人の判断ですが、園として利用制限の値ではないと考えます) 私たちが10月12日の自主計測で発見した表面線量が高い場所(マイクロホットスポット・セシウムだまり)についても、同日直後、公園協会に通報しました。公園協会はその局所への立ち入り制限措置を取り、その通報を受け、私どもが指摘した箇所の再計測を行い、高い値の出た3か所については掃除・除去を行いました。 この措置は迅速であり、公園の利用について園として利用制限する必要はないと考えます。 なお私たちの計測値と市の計測値の値の違いについては、友人の研究者にも確認しましたが、表面線量については十p、数cm離れただけで、その程度の値の違いが出るのはよくあることで、両計測とも、その局所の表面線量(1p)を正確に計測したが、計測した場所がずれていたのだろうと考えます。 「マイクロホットスポット」(セシウムだまり)は場所によりまだらになっており、「染のアトリエ前」については、そのまだらのそれぞれを計測したのだろうと推測します。一方で「火の広場」も含め、現在整理中の他の空間線量はほぼ同じ値が出ています。 ( 雨どいとコンクリートの傾斜、セシウムを流し集める雨水の流れ方の微妙な動きがそのまだらさを作ると推定します) 「染アトリエ前] 私ども計測(12日)5.82 市計測(13日) 0.91 「火の広場」 私ども計測(12日)2.10 市計測(13日)1.41 「食のアトリエ前」 私ども計測(12日)1.79 市計測(13日) 0.78 重要なのは、「両計測とも市が除染(掃除)の基準とする0、3μSv/hを超えた」こともあって、除染(掃除)という迅速な対処がなされたという点であり、市と公園協会の対処に感謝いたします。 10月13日掃除後の10月14日1p線量(市HP発表) ・染のアトリエ前 0.28 ・火の広場 0.16 ・食のアトリエ前 0.30 (なお本見解は私個人のものです。自主測定に関わる市民全体の動きについては、今後の様々な測定要望に応える応え方も含め、慎重に話し合っているところです。また来週は市担当部とも今後の対処について協議する予定です。自主測定市民、私・市(担当部)とも、「線量の高い場所を発見し除去していく」方向は一致してます) ●これまでの経過 国がSPEEDIによる首都圏汚染のデータの公表を当初しなかった中で、市民の中で船橋の状況に対する不安が広がり、各人による自主測定が始まりました。私は2011年5月28日より、市民の方々の測定要望に応え、友人の慈恵医大アイソトープ施設助教で放射化学の研究者の箕輪はるかさんにおいでいただき、研究者が使う正確なγ線計測器(シンチレーション式サーベイメータ・アロカ社TCS171)で、放射線量自主計測を企画実行してきました(約100か所・本HP報告参照)。 そして9月には同等機種(アロカ社TCS172、最新機種)を購入(5月に注文したものが、生産スピードが間に合わず9月にようやく入荷)し、数回の測定法の指導を経て、市内の公園を計測し始めている。その測定数は計約50か所以上となります(その詳細データは今整理中で近日中にUPします) その結果は市内の空間線量(100p)は公園中央なども含めて0.1〜0.2μSv/hレベルであり、私個人の見解としては船橋市は避難を要する地域ではないと考えています。 (放射線量については様々な考え方があり、首都圏から避難している方もおられます) 今、残っているのは、主に3月15日に首都圏に向いた風で飛来し、3月21日の雨で地表に落ちた放射性物質(その後の飛来も少しありますが一番多きな影響はこれと考えられています)の残存・濃縮です。 半減期の長い放射性セシウムが屋根・木・建物などに付着しているものが、梅雨・台風・雨で洗い流され、側溝・雨どいの流れ着く先の土・コンクリートで覆われた部分の水が流れ込む狭い面積の土部分・木の根元などに付着・濃縮され、0.3μSv/h、場合によっては1μSv/hを超える値もある局所が存在します。 これは狭い面積の局所的汚れなので「マイクロホットスポット」と呼ぶことともあるが、私は「セシウムだまり」と表現したほうが付着している物質の性質と局所に集中している傾向が明らかになると考えるので、以下「セシウムだまり」とも表現します。 ●市のシンチレーション式サーベイメーターでの計測と「セシウムだまり」の対応についての市議会での議論 5月28・29日の私の企画した100か所計測の後、市も6月に11か所、そして8月には学校・園全ての計測をはじめ、市内の空間線量は、私どもの自主計測と同様、0.1〜0.2μSv/hレベルと判明しました。 (その経過は本HP6月10日市議会質問原稿や、市議会サイトからの6月11日市議会議事録・録画中継参照) そこで、船橋での環境中の放射性物質対策の問題は「セシウムだまり」の把握と対策に絞られてきました。 「セシウムだまり」の把握と対策については、9月12日の市議会で質問し、 「私もシンチレーション式サーベイメータで自主計測をするが、市も計測をしセシウムだまりの発見・除去をしてほしい」との質問に対し、市も実施を検討するという答弁でした。 ●9月25日(日)行田公園、10月1日(土)県民の森調査 9月25日(日)に、これまで自主測定をしてきた市民の方々と一緒に行田公園を計測し、公園の主な場所の空間線量は高くないことを確認する一方で、陸橋の下の側溝については、1p測定で4μSv/hを超える値・木(ケヤキ)の根元1μSv/hを超える値の場所を発見し、県に通報し掃除を依頼しました。掃除後は側溝は0.4μSv/hに減少しましたが、木の根元は掃き掃除だけで1μSv/hの値は減少していません。 なお、10月1日の県民の森についても木の根元(特にケヤキ・イヌシデ)については1程度の値が出ています。しかし木によっては、低い線量の場所、また同じ木でも向きによって異なることがわかました。 木1本1本をすべて計測するのは私どもでは困難であり、また対処も掃き掃除だけでは困難となると、今後どう測定し、減少させていくかは行政とも十分話し合っていくつもりです。 なお一部の木の根元に高線量の場所(どこも1p計測で1μSv/h程度)があるが、一方で高線量ではない木の根元もあります。 またその木の根元から1m以上離れた空間では標準の空間線量(0.1〜0.2)になりますので、当面は木の根元のずっといることをさければ、その木の近くを歩いている分には問題ないと考えます。 ●アンデルセン公園計測 こうした5か月以上の経験を経て、10月12日にアンデルセン公園に述べたような結果を得ております。 先に述べましたように、自主測定市民、私・市(担当部 都市整備部・環境部)の目指す所は「市内の空間線量全体は0.1〜0.2μSv/h程度。今後は線量の高い場所(私の表現ではセシウムだまり)の特定と除去を行う」 という方向性は同じです。今後の進め方については十分な協議を行い実施していきたいと思いますので、ご理解・ご協力をお願いします。 |