棚取付工事

島田市W動物病院さんにて棚の取付工事を行ないました
建築図面で、上から不燃化粧板6mm、石膏ボード9.5mmであることは分かったものの、その下がどうなっているのか分かりませんでした。ボードの下の間柱を狙ってビスを打つのだけど、間柱がどこにあるか分からない。
通常大工さんが下地の有無を調べるとき、玄能でコンコン叩いて音で聞き分けたり、下地探し針や下地センサーを使うのだけど分からず、天井裏に入っても隣の部屋から見ても分かりませんでした。なので、本当は金物を直付けしたかったのだけど、ボードアンカーで木を留めてから金物と棚を取り付けることにしました。
が、当日、ボードアンカーが化粧板に負けて割れてしまうという事態が発生し、急きょ、長ビスに変えて固定しましたビスが利いた位置からして、下地材は縦ではなく横に通っていたようです。
一見、DIYでもできそうな棚の取り付けですが、やっぱりプロの仕事だと、つくづく思ったのでした

※赤矢印は不燃化粧板です。






天井のまくり

大工さんは天井をあえて平らに貼らないのだそう。
両隅は低く、真ん中を高く、弓なりに貼るという。理由は平らに貼ると天井が下がって見えるからだそうで、これは先人から脈々と受け継がれてきた技術。『まくり』と言い、まくり方は棟梁によって違うらしく、弊社は和室8帖(幅3640mm)に対して3分(ぶ・約9mm)高くするとのこと。先人たちは、視覚に対してもとても敏感だったと、改めて大きな感動と衝撃を覚えました

畳屋さんの仕事(寸法取り)

例えば6帖和室の畳を新しくするとき・・・
昔の私は、畳屋さんに畳6枚を注文したら、すぐに納品してくれると思っていました。が、その後、同じ6帖でも家によってサイズが異なり、どの家にも合うものではないことを知りました
畳を新しくするにあたり、畳屋さんによる寸法取りは思う以上に入念です。特に新築でないお家の畳替え時期は、築後何十年も経過しているため、ひずみやゆがみが生じています。画像のような柱のでっぱりもあります。直角・長さ・反り・でっぱり・段差など、レーザー測定器を使って何個所も測ります。そうして作り上げた畳は、その家のその場所にしか合いません。なので畳の裏側には、東・西・南・北など、畳の位置が書かれています。畳もなかなか奥深いものです。長年培われた職人の技術は素晴らしいと思います

窓に被る受材の取付け

窓に被る受材の取付けです
施主さんのちょうど良い手すりの高さは床から800mm。受材の幅は150mm。ホール正面の窓に受材が被るわけですが、窓枠に厚みがあるため、そのままでは取り付けることができません。なので、受材の裏側に窓枠と同じ幅と奥行き分の欠き込みをしました。少々窓に被っても納まりが良いので気になりません



段差解消

水平の取れていないコンクリートを床に変更
コンクリート~ホールまでの高さ90mm。コンクリート~和室までの高さ300mm。その差210mm。歩きやすく、和室に上がりやすくするために一段設けました。段差は210mm÷2=105mm。
床高90mm(ホールからの段差を解消)と、床高195mm(195mm-90mm=段差105mm)を作ってつなげました。が、コンクリート面にはうねりがあり、垂直と直角も正確でないため、縦横高さは現場合わせ。飛び石は撤去できないので削りました。完成後、一部床鳴りする個所がありましたが、微調整により解消


下地高さ調整

トイレに手洗器付きカウンターを設置するため、コンパネで下地補強をしています
下部はタイル、上部はジュラク。真壁のため柱が見えます。下地よりも柱のほうが微妙に高くなったので、高さを揃えるため柱をノミでひと削り。


建具屋さんの道具

先日、製作中の建具を見るため、建具屋さんの作業場に行ってきました
せっかくなので道具も見せていただきました。大小、たくさんの種類の鉋がありました。道具の中でもとても扱いが難しい鉋です。


建具屋さんの作業場と大工さんの作業場

建具屋さんの作業場にはたくさん機械が設置されています。
大工さんの作業場はあまり機械を置いていません。

建具屋さんの扱う材料は比較的小さいので、機械のところに材料を持っていって加工します。そのため、作業場にはどっしりとした機械が据え付けられています。

大工さんの扱う材料は長く、大きく、重いので、機械のところまで材料を持っていくことが困難。機械を材料のところに持っていって加工します。そのため、機械は小さくて移動できるものが多く、作業場は材料を積み重ねたり、長い材料の向きを変えたりできる広さを重視します。

建具屋さんが使うノミやカンナは大工さんが使うノミやカンナより小さいものが多く、カタチも少し違います。似ているようで異なる道具も機械も作業場も面白い

≪建具屋さんの作業場≫

≪大工さんの作業場≫

床の高さ調整

和室の畳を撤去して、隣接する洋室の床高に合わせて1室にします。
老朽化した建物は、部屋の中心から四隅に向かって下がっていたり、場所場所で高さのバラつきや地盤による下がりも生じます。
水平を見てから1.5mm・3mm・4mm・5.5mm・9mmのシートとベニヤを組み合わせ、根太の高さ調整を行ないました調整をせずそのまま床を貼ってしまうと、畳のときには気づかなかった傾きが、平らな床を貼ることによって目で見ても分かるようになるので要注意

天井板の施工

4mmベニヤで下地を作り、加工した杉の荒材(先日、Kさんと一緒に塗装)を天井板として使用しました。
軒桁の丸太は太さが均一でないため、天井板の木端(こば・・・板の側面)をカンナで削りながら施工。なのでその板はそこにしか合いません。
当初、廻縁をつける予定でしたが、廻縁をなくし、丸太と天井板を突き付けにすることでスッキリとした美しい仕上がりになりました(突き付け部分が仕上げとして見えるのでごまかしのきかない仕事)仕上釘を使用して、釘も目立たなくしました。
梁の幅も微妙に違う。なので板の長さもそれに合わせてカット。加えて曲がりもあるため、小口(こぐち・・・木の切り口)も曲がりに合わせてカンナがけ。
6帖の玄関天井板はパズルのように、そこにしか合わないカタチでできています