二十四節気のひとつ。今年は、11月7日~8日。および、この日から小雪までの期間。
『暦便覧』では、「冬の気立ち始めて、いよいよ冷ゆれば也」と説明しています。いよいよ冬本番の到来となります。寒さ厳しくなる冬に備えて、健康な住まい方についてお知らせします。
感染症(インフルエンザ)の予防
これから冬に向けてインフルエンザの季節がやってきますが、感染を防ぐためにはワクチン接種やうがい、手洗いが重要ですが、今回は住生活上での注意点をお知らせしましょう。
「暖かく過ごす」
インフルエンザにはやはり寒さは大敵です。そのため暖かく過ごす事が大切です。しかし暖かくするのは暖房しかないという考え方は間違っています。
例えば家の中の温度を比較すると、2階は1階より2~3℃高いのが一般的です。これは1階の家電設備や照明器具から発生した熱が2階に上昇するためです。また日射の影響で北側の部屋より南側の部屋の方が温度が高い傾向にあります。
更に2階の方が1階より日射も入りやすいので、夕方4時頃に雨戸やカーテンを閉めれば、日中取り込んだ日射熱を室内から逃がさないので省エネにもなります。つまり2階の南側の部屋が最も暖かく過ごせる部屋です。
なお、室内の熱の出入りには窓の役割が極めて大きいのですが、窓サッシが断熱サッシやペアガラスの場合は問題があまりありません。しかしシングルガラスの場合は窓からの放熱が大きいので、対策として室内側から断熱シート(ホームセンターで販売、価格:幅1.5m品500~600円/m)を張るのも一つの方法です。
また暖かく過ごすには衣服の量(着衣量)も重要です。最近は冬でも室内では薄着をする傾向が強いようですが、全館暖房でない場合は薄着ではヒートショックを受けやすく、インフルエンザの危険性も高まります。近頃は薄くても保温性の高い下着も商品化されていますので上手に利用したいものです。
「温度・湿度をコントロール」
インフルエンザウイルスの生存率は温度32℃以上では0ですが、温度21~24℃では湿度の影響が大きく、湿度50%では生存率3~5%と低いのですが、湿度20%では生存率が60%と大きく上昇します。最近の住宅で普及率の高いエアコン暖房では一般的に湿度は30%以下になる場合が多く、この場合ウイルスの生存率はかなり高くなると予測されます。
また湿度が低いと人間の喉の粘膜も乾燥してウイルスに感染しやすくなります。そのため湿度は50%程度に保持する事が大切ですが、湿度を50%にコントロールするのは意外に困難で通常の加湿器を使うとすぐに60~70%まで湿度が上昇します。このような環境になると窓や壁の結露からカビが発生したり、ダニも繁殖しやすくなるので、加湿器は湿度調節機能つきの製品を使うのがお奨めです。
加湿器以外で湿度調節する方法としては、濡れタオルを3枚程度一晩部屋干しするのも効果があります。また、暖房器具として灯油ストーブやガスファンヒータの様な開放型暖房器具は燃焼によって水蒸気が発生するので、室内湿度は上昇してウイルス対策としては有効です。しかし、開放型暖房器具は燃焼に必要な室内の酸素を消費するため、暖房運転中は1時間に1~2回(1~2分)程度換気扇を回すか、窓を開けるなどして十分な換気を行う必要があります。
また、最近のエアコンでは屋外の水分を取り込み、室内を加湿していく機能を持っている物が何社かのメーカーから発売されています。